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企画 2018年04月11日

クリエイターが仕掛けた華麗な伏線に気づいていますか?

シネマラマ

伏線:未来に起きることを見せたり、言うなどしてほのめかしておくこと。

物語を見てあまりにも強引な展開をすると「なんじゃこのお粗末な話は!」と怒る方がいます。

不思議ですよね、現実世界では伏線なんかありもせず、突如幸運や不幸や、出逢いや別れがあるのに。

フィクションの世界では整えられた運命を見たいという願望が多くの人の心の底にはあるのでしょう。私もその一人です。強引な展開や急な方向転換がすべてダメというわけではありませんが、やはり伏線の技が巧みに光るとそこにクリエイターの方への尊敬の念が生じずにはいられません。

しかし、それがあまりに見事過ぎて私達観客に気づかれもしない伏線というのも数多く存在します。

今回は多くの方が見落とすであろう伏線についてスポットの光を照らして、伏せられたままの線をなぞってみましょう。

※本記事は『ジュラシック・パーク』『レゴ・ムービー』のネタバレを含みます。

Life finds Way:『ジュラシック・パーク』より

 

  • 台詞の伏線
  • 映像によってこの先の物語を示唆する伏線

 

台詞によって伏線を表現

グラント博士が冒頭で生意気なじゃりン子にラプトルの狩りの仕方を教えるシーンがあります。

「ラプトルは正面からではなく横にひそむ二頭が襲い掛かるんだ」

「ラプトルを見つめると、彼らも君を見つめ、そして襲い掛かる」

この台詞。後にジュラシック・パークにて本当に起こります。

 

「ラプトルは正面からではなく横にひそむ二頭が襲い掛かるんだ」

銃を構えてラプトルを仕留めようとしたロバートが目の前の音に気を取られた隙に、ラプトルが横から襲い掛かり、殺されてしまいます。

 

「ラプトルを見つめると、彼らも君を見つめ、そして襲い掛かる」

子供たちがキッチンでラプトルに襲われるシーンでは、見つめたら彼らは襲い掛かるという習性を利用し、鏡を使ってラプトルを騙します。

これは台詞によって伏線を表現した例の一つです。

 

映像によってこの先の物語を示唆する

私はこちらの方が好きなのですが、

グラント博士一行がジュラシック・パークにヘリコプターでやってくるシーン。

まもなく着陸となった時にグラント博士のシートベルトが上手く閉まらなくなります。

そこで、グラント博士は二つのベルトを結び付け、身体を座席に固定させるという目的をシートベルト本来の用途とは違った方法で達成させてドヤ顔をします。

ここでグラント博士は機転の利くキャラクターであることが示され、観客の心を掴む場面となっています。私も最初に観た時はそのようにしか感じませんでした。

 

しかし、

 

この後ジュラシックパーク内で巻き起こる惨事の原因と今作品が示す生物学的なテーマを踏まえて考えると

このシーンにはもっと深い意味があることがわかります。

さて、シートベルトのシーンに戻りましょう。

よく観ると、グラント博士がはめようとしているシートベルトは両方とも差込口です。ゆえにシートベルトとして機能しないのは当然です。だけど、それを違った方法を用いてシートベルト本来の目的を達成します。

 

この差込口は女性を表しています。下ネタになりますが、そうゆうことなのです。差し込む物がない、つまり雄が不在の状態です。

 

"Life finds way"(生命は道を見つける)

 

このシーンではグラント博士が生命はその大きな力を持っていることを示すと同時に伏線としても機能しています。後に野生の中で見つかる卵とそこから歩み出した小さな足跡でこのメッセージを見事に表現していますが、実は既に巧みに観客に分からないように道を示していたのです。

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